帯とタスキの狭間
合紙素材ははがれなかった。
紙と紙を貼り合わせ、それを水に浸けているのにビクともしない。
実は、これまで断られた印刷会社の中でも、1社だけ合紙を提案いただいた会社があったのだ。だが、その時は、水に浸すと伝えた瞬間に断られた。
T氏によると、合紙技術は技術力の差が大きいというのか?、各社で持っている技術が異なるらしい。
だが、破れてしまうようになった。
厚みは1mmになったはずなのに、貼り合わせた各々が薄いと引っ張り強度(というのだろうか)が下がるのか。
使用し始めて一晩経つと、テンションのかかるポイントがふわりと破れてしまうのだ。
これは、1mm未満の厚みのコースター用紙を単体で使った時に発生した現象そのものだ。
つまり、強度の面だけについて言えば、0.5mmを2枚重ねても、1mmにはならない。
考えられる代案は、貼り合わせる2枚の0.5mmの間に、破れにくい補強を挟み込むことだ。
ボンドが染み込むだろうということで、布の挟み込みができないか伺ってみたが、これは何らかの理由でできないとのことだった。挟み込むモノは紙でなければならないらしい。
ボンドが染み込むだろうということで、布の挟み込みができないか伺ってみたが、これは何らかの理由でできないとのことだった。挟み込むモノは紙でなければならないらしい。
とりあえず、何か適切な、破れに強い素材を挟み込んでもらうことになった。
数日後にご提供いただけたのは、恐ろしく強力な合紙サンプルだった。ちょっと人力では破れないかもしれない。建築や化学防護服に利用されている素材を挟み込んだそうだ。
それならば、折り目の弱さすら解消できて、1mm厚を直接使うよりも理想形なのではないかと思ったが、部品を切り出して組み上げ、水に浸してみると、破れることはないが、かなり早い段階で剥がれてしまった。
恐らく耐久性が高ければ高いほど、剥がれる。
耐久性が弱いほど、破れる。
ならばいろいろな組み合わせを何度も何度も試していけば、その中間となる「ちょうど良い」挟み込み素材が見つかるだろう。
そこで少し躊躇った。
これが、私自身の時間を使って試せるものなら問題はないのだ。
実際は、T氏に、利益度外視の激安な方法で、対応をお願いしている。
これがダメならアレという風に、何度も何度も繰り返す方向に進むことは正解なのだろうか…?
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